PDモニタリングの機能説明
PDモニタリングは、定期的に受電機器(PD)を監視し、受電機器(PD)が異常状態になったと判断された場合に、電力供給を一時的に停止して強制的に受電機器(PD)のリスタート(電源OFF/ON)を促す機能です。また、電力供給を停止せずにログの出力だけを行うこともできます。
NP2100でPDモニタリング機能に対応している装置は、ApresiaNP2100-24T4X-PoEおよびApresiaNP2100-48T4X-PoEです。
NP2000でPDモニタリング機能に対応している装置は、ApresiaNP2000-24T4X-PoEおよびApresiaNP2000-48T4X-PoEです。
NP7000、NP5000、NP4000、およびNP3000では、アクションは「ログの出力」のみサポートしています。
受電機器(PD)のモニタリング方法には、pingによる定期監視(以後、ICMPモード)およびトラフィック監視(以後、ACLモード)の2種類があります。装置全体のPDモニタリングを有効にするには、pd-monitoring global state enableコマンドを使用します。
PDモニタリングは、受電機器(PD)が起動する時間を考慮し、受電機器(PD)への電力の供給を開始してから一定時間待機した後に開始されます。PDモニタリングを開始するまでの待ち時間を設定するには、pd-monitoring period-to-startコマンドを使用します。
受電機器(PD)をリスタートしても状態が改善されない場合にリスタートが繰り返されることを防ぐため、PDモニタリングによる受電機器(PD)のリスタートには上限回数が設定されています。上限回数に到達した場合、自動的にpoe power-inline neverコマンドがポートに設定され、電力供給が無効になります。リスタートの上限回数を設定するには、pd-monitoring restart-poe retryコマンドを使用します。
リスタートの上限回数に到達した状態を手動で復旧させるには、ポートでno poe power-inline neverコマンドを設定します。これにより、電力供給を開始できます。また、一定時間待機した後に自動的に復旧させることもできます。自動復旧が実施されると、ポートに自動的に設定されていたpoe power-inline neverコマンドは、削除されます。リスタートの上限回数に到達した状態からの自動復旧を設定するには、pd-monitoring auto-recovery timeコマンドを使用します。
ICMPモードによる監視とACLモードによる監視を、1つのポートで同時に使用することはできません。
NP2000の1.06.02以前ではno poe power-inline neverコマンドは未実装です。手動で復旧させるには、poe power-inline autoコマンドを使用します。
ICMPモード
ICMPモードでは、受電機器(PD)に対してpingによる定期監視を実施します。受電機器(PD)からの応答がないと判断された場合、電力供給を一時的に停止して、受電機器(PD)のリスタートを促します。また、電力供給を停止せずにログの出力だけを行うこともできます。
NP2100、NP2000、およびNP2500では、設定できる監視IPアドレスはポートごとに1個です。受電機器(PD)は装置に直接接続して使用してください。
NP7000、NP5000、NP4000、およびNP3000では、設定できる監視IPアドレスは装置全体で最大64個です。また、ポートごとに設定できる監視IPアドレスは最大24個です。
ICMPモードによる監視
ICMPモードの装置全体の共通設定を設定するには、グローバル設定モードでpd-monitoring icmpコマンドを使用します。ICMPモードのポートごとの設定をするには、インターフェース設定モードでpd-monitoring icmpコマンドを使用します。
ACLモード
ACLモードでは、受電機器(PD)からの受信レート(pps)を定期的に監視します。受信レート(pps)がしきい値を下回った場合、電力供給を一時的に停止して、受電機器(PD)のリスタートを促します。また、電力供給を停止せずにログの出力だけを行うこともできます。
なお、ACLモードは、ある程度のトラフィックが常時発生する環境で使用してください。
ACLモードによる監視
監視するアクセスリストのルールは、許可(permit)エントリーで設定してください。
ACLモードの装置全体の共通設定を設定するには、グローバル設定モードでpd-monitoring acl-modeコマンドを使用します。ACLモードのポートごとの設定をするには、インターフェース設定モードでpd-monitoring acl-modeコマンドを使用します。