PoEの機能説明
PoE(Power over Ethernet)は、LANケーブルでデータ伝送に加えて電力を供給する機能です。
Webカメラ、IP電話、および無線LANアクセスポイントなど、PoEに対応した受電機器(PD:Powered device)を接続すると、給電機器(PSE:Power sourcing equipment)でクラスが自動的に判断され、電力が供給されます。
PoEの機能
デフォルト設定では、各ポートのPoEは有効です。無効にするには、poe power-inline neverコマンドを使用します。無効にしたPoEを有効にするには、no poe power-inline neverコマンドを使用します。
NP2100でPoE機能に対応している装置は、ApresiaNP2100-24T4X-PoEおよびApresiaNP2100-48T4X-PoEです。
NP2000でPoE機能に対応している装置は、ApresiaNP2000-24T4X-PoEおよびApresiaNP2000-48T4X-PoEです。
NP2000の1.06.02以前ではno poe power-inline neverコマンドは未実装です。無効にしたPoEを有効にする場合は、poe power-inline autoコマンドを使用します。
装置の最大電力供給量は、給電機器(PSE)が供給できる電力量の上限です。
機種 | 最大電力供給量 |
---|---|
ApresiaNP2100-24T4X-PoE | 370W |
ApresiaNP2100-48T4X-PoE | 370W |
ApresiaNP2000-24T4X-PoE | 370W |
ApresiaNP2000-48T4X-PoE | 370W |
ApresiaNP2500-8MT4X-PoE | 190W |
ApresiaNP2500-16MT4X-PoE |
300W(周囲温度 0℃~45℃)*1 245W(周囲温度 45℃~50℃) |
*1:300Wモードにする場合は、poe fan mode poe-power-priorityコマンドを使用します。
装置の電力供給量が使用率しきい値を超過した場合に、ログ/トラップを出力できます。使用率しきい値を設定するには、poe usage-thresholdコマンドを使用します。
ポートの最大電力供給量は、受電機器(PD)を接続するとクラスが自動的に判断されて決定されます。
クラス | ポートの最大電力供給量 |
---|---|
0 | 15.4W |
1 | 4.0W |
2 | 7.0W |
3 | 15.4W |
4 | 30W |
ポートの最大電力供給量を手動で設定する場合は、poe power-inline auto maxコマンドを使用します。
ポートの最大電力供給量よりも多くの電力量を要求された場合は、ポートの電力供給が停止します。
各ポートには、電力供給のための優先度が設定されています。供給電力が装置の最大電力供給量を超えた場合、優先度の低いポートから電力供給が停止されます。同じ優先度のポート同士では、小さいポート番号のポートが優先されます。
優先度 | 説明 |
---|---|
critical | 1番目に優先度が高いポート。 |
high | 2番目に優先度が高いポート。 |
low | 3番目に優先度が高いポート。 |
ポートの電力供給優先度を設定するには、poe pd priorityコマンドを使用します。
新たに受電機器(PD)を接続すると、「その受電機器(PD)のクラスの最大電力供給量」と「給電機器(PSE)が供給できる残りの電力供給量」がいったん比較されます。残りの電力供給量が不足する場合は、新たに接続したポートも含めて、最も優先度の低いポートから電力供給が停止されます。
Continuous PoEの仕様と動作
Continuous PoEは、バージョンアップなどの理由で装置を再起動している間でも、Continuous PoEを有効にしたポートで電力供給を停止することなく供給し続ける機能です。
Continuous PoE
Continuous PoEを有効にするには、c-poe enableコマンドを使用します。
1ポートでもContinuous PoEを有効に設定すると、装置のすべてのPoE対応ポートでContinuous PoEが有効になります。
タイムベースPoE
タイムベースPoEは、タイムレンジを使用して対象ポートの電力供給の開始/停止をスケジューリングする機能です。
タイムベースPoE
PoE機能に適用するタイムレンジは、poe power-inlineコマンドのtime-rangeオプションで指定します。
PoEの電力供給が開始/停止される時刻は、タイムレンジで指定した開始時刻および終了時刻から最大60秒遅れる場合があります。