第5編
レイヤー3

NDPの機能説明

NDPは、IPv6アドレスでのMACアドレス解決やルーターの発見など、同一リンク上での近隣探索を行うプロトコルです。NDPによって解決したMACアドレスはIPv6アドレスに関連付けられ、ダイナミックエントリーとしてIPv6ネイバーテーブルにキャッシュされます。また、手動でMACアドレスとIPv6アドレスを関連付け、スタティックエントリーとしてIPv6ネイバーテーブルに登録することもできます。

ダイナミックエントリー

MACアドレスが不明なネットワーク上のホストに対してMACアドレスを問い合わせ、得られたMACアドレスとIPv6アドレスを関連付けた情報がダイナミックエントリーです。

IPv6アドレスでは、Neighbor Solicitation(NS)メッセージを送信して問い合わせを行います。指定されたIPv6アドレスが設定されたホストは、Neighbor Advertisement(NA)メッセージでMACアドレス情報を応答します。これにより、MACアドレスとIPv6アドレスが関連付けられ、ダイナミックエントリーとしてIPv6ネイバーテーブルにキャッシュされます。

ダイナミックエントリーによるMACアドレスとIPv6アドレスの関連付け

補 足

登録済みのIPv6ネイバーキャッシュエントリーでリンクダウンを伴わないポート間移動が発生した場合、MACアドレスを再学習してから数秒後にIPv6ネイバーキャッシュエントリーの送信先インターフェースの更新が行われます。なお、MACアドレスやIPv6ネイバーキャッシュエントリーの登録数が多い環境では、この更新時間がより長くなることがあります。

スタティックエントリー

IPv6アドレスとMACアドレスの関連付けを手動でIPv6ネイバーテーブルに追加した情報が、スタティックエントリーです。ipv6 neighborコマンドでIPv6アドレスとMACアドレスを指定し、IPv6ネイバーテーブルに登録します。

ipv6 neighborコマンドで指定したIPv6アドレスがIPv6ネイバーテーブルに存在する場合、その情報がダイナミックエントリーとスタティックエントリーのどちらであっても、新たにipv6 neighborコマンドで追加したスタティックエントリーで上書きされます。

補 足

スタティックIPv6ネイバーキャッシュエントリーを設定する場合は、mac-address-table staticコマンドで対応するスタティックMACアドレスエントリーも設定してください。

補 足

NP7000、NP5000、NP4000、およびNP3000では、スタティックIPv6ネイバーキャッシュエントリーは最大256個まで設定できます。

補 足

NP2100、NP2000、およびNP2500では、スタティックIPv6ネイバーキャッシュエントリーは最大64個まで設定できます。

IPv6ネイバーテーブルのダイナミックエントリーの消去

IPv6ネイバーテーブルにキャッシュされたダイナミックエントリーを手動で消去できます。ダイナミックエントリーを消去するには、clear ipv6 neighborsコマンドを使用します。allパラメーターを指定してclear ipv6 neighborsコマンドを使用すると、すべてのダイナミックエントリーを消去します。

Router Advertisement(RA)の送信

IPv6ルーターは、Router Advertisement(RA)メッセージを送信して、同一リンク上のホストに対してプレフィックス情報などを配布できます。Router Advertisement(RA)メッセージは、定期的に送信、およびホストからのRouter Solicitation(RS)メッセージに応答して送信します。

なお、Router Advertisement(RA)メッセージの送信は、デフォルトでは抑制されています。Router Advertisement(RA)メッセージの送信抑制を無効にして送信を開始するには、no ipv6 nd suppress-raコマンドを使用します。

注 意

NP2100、NP2000、およびNP2500では、Router Advertisement(RA)の送信機能はサポートしていません。

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