RMONの機能説明
RMON(Remote network MONitoring)は、遠隔地にあるネットワークの通信状況を監視する機能です。SNMPの機能を利用して実現しています。
RMON統計情報/RMON履歴
RMON統計情報/RMON履歴を有効化したインターフェースは、統計情報をRMON MIBに記録します。マネージャー装置からSNMPでRMON MIBに記録された情報を取得し、ネットワークの通信状況を監視できます。
RMONを利用するには、SNMPエージェントを有効化してください。
RMON統計情報/RMON履歴の概要
RMON統計情報は、RMON MIBのstatisticsグループに記録されます。たとえば、ネットワーク中の総パケット数、ブロードキャストのパケット数、およびエラー数などが記録されます。RMON統計情報を有効にするには、rmon collection statsコマンドを使用します。
RMON履歴は、RMON統計情報を指定した履歴数まで記録する機能です。RMON MIBのhistoryグループに記録されます。RMON履歴を有効にするには、rmon collection historyコマンドを使用します。
異常の通知(アラームエントリー/イベントエントリー)
アラームエントリーを設定すると、監視対象のオブジェクト識別子(OID)の値をサンプリング間隔で取得し、指定した比較方式でしきい値と比較します。サンプリング値が上昇しきい値(上限値)以上になった場合は、上昇しきい値イベントが実行されます。サンプリング値が下降しきい値(下限値)以下になった場合は、下降しきい値イベントが実行されます。アラームエントリーは、rmon alarmコマンドで設定します。
上昇しきい値イベント、および下降しきい値イベントに関連付けるイベントエントリーでは、ログ記録(RMON MIBのlogTable)の有効/無効、SNMPトラップ送信の有効/無効、イベントの説明を設定できます。イベントエントリーは、rmon eventコマンドで設定します。
Counter64型のオブジェクト識別子(OID)は、監視対象として指定できません。
アラームエントリー/イベントエントリーの概要
この例のように設定した場合は、以下のいずれかの条件を満たしたときに、ログ記録(RMON MIBのlogTable)およびSNMPトラップ送信が実行されます。
- ポート1/0/2で受信したエラーパケットの前回サンプリング値からの差分値が、上限値(20)以上になった場合
- ポート1/0/2で受信したエラーパケットの前回サンプリング値からの差分値が、下限値(10)以下になった場合
サンプリング値は、absolute方式またはdelta方式のいずれかで比較します。
- absolute方式
取得した値をそのままサンプリング値として使用します。サンプリング値が上限値以上になった場合に上昇しきい値イベントが実行され、下限値以下になった場合に下降しきい値イベントが実行されます。
上昇しきい値イベントが発生した後は、サンプリング値が下限値以下になるまで別の上昇しきい値イベントは発生しません。下降しきい値イベントが発生した後は、サンプリング値が上限値以上になるまで別の下降しきい値イベントは発生しません。
比較方式がabsolute方式の場合
- delta方式
前回取得値と今回取得値の差分値をサンプリング値として使用します。サンプリング値が上限値以上になった場合に上昇しきい値イベントが実行され、下限値以下になった場合に下降しきい値イベントが実行されます。
上昇しきい値イベントが発生した後は、サンプリング値が下限値以下になるまで別の上昇しきい値イベントは発生しません。下降しきい値イベントが発生した後は、サンプリング値が上限値以上になるまで別の下降しきい値イベントは発生しません。
比較方式がdelta方式の場合