第4編
レイヤー2

ポートリダンダントの機能説明

ポートリダンダントは、PrimaryポートとSecondaryポートのペアで構成される、レイヤー2の冗長機能です。通常時は、PrimaryポートがActive状態でトラフィックを中継し、SecondaryポートがReady状態でトラフィックの中継を抑止します。

通常時のトラフィック中継

補 足

装置全体で設定できるリダンダントグループは、最大32個です。スタック構成の場合も同様です。

補 足

Ready状態のポートはトラフィックの中継を抑止している状態ですが、物理ポートはリンクアップしているため、レイヤー3機能のVLANインターフェースとしてはリンクアップしているポートとして扱われます。

Primaryポートがリンクダウンすると、SecondaryポートがActive状態に遷移してトラフィックを中継します。このとき、SecondaryポートからMACアドレス再学習フレームまたはFDBフラッシュフレームを送信し、上位ネットワークのMACアドレステーブルの更新を促します。

Primaryポートがリンクダウンした場合のトラフィック中継

Primaryポートがリンクアップすると、PrimaryポートがActive状態に復旧します。このとき、PrimaryポートからMACアドレス再学習フレームまたはFDBフラッシュフレームを送信し、上位ネットワークのMACアドレステーブルの更新を促します。

PrimaryポートがActive状態に復旧した場合のトラフィック中継

ポートリダンダントを設定するには、redundant group-numberコマンドを使用します。

プリエンプトモードと切り戻り遅延時間の設定

補 足

プリエンプトモードと切り戻り遅延時間の設定は、NP7000の1.06.01以降、NP5000の1.06.01以降、NP4000の1.02.01以降、NP3000の1.06.01以降、NP2100の1.09.02以降、NP2000の1.07.01以降、NP2500の1.08.02以降でサポートしています。

デフォルト設定(プリエンプトモード有効)では、「Primaryポートがリンクアップすると、PrimaryポートがActive状態に切り戻る動作」ですが、プリエンプトモードを無効にすることにより、「Primaryポートがリンクアップしても切り戻さない動作」に変更できます。この場合、PrimaryポートがリンクアップしてもSecondaryポートがActive状態のままで、リンクアップしたPrimaryポートがReady状態になります。

プリエンプトモード

また、プリエンプトモードが有効な場合に、切り戻り遅延時間(デフォルトは0秒)を設定できます。たとえば、切り戻り遅延時間を60秒に設定した場合、Primaryポートがリンクアップしてから60秒経過すると、PrimaryポートがActive状態に切り戻ります。なお、切り戻り遅延時間が経過するまでの間にSecondaryポートがリンクダウンした場合は、切り戻り遅延時間の経過を待たずに、即時PrimaryポートがActive状態に切り戻ります。

プリエンプトモードと切り戻り遅延時間を設定するには、redundant group-number preemptコマンドを使用します。

補 足

プリエンプトモードが無効な装置を起動した場合、PrimaryポートとSecondaryポートのどちらが最初にActive状態になるかは、それぞれのポートがリンクアップした順番によります。

補 足

プリエンプトモードが無効で「PrimaryポートがReady状態、SecondaryポートがActive状態」の場合に、no redundant group-number preemptコマンドでプリエンプトモードを有効に変更すると、PrimaryポートがActive状態に切り戻ります。

MACアドレス再学習フレーム送信機能の仕様と動作

MACアドレス再学習フレームの送信を有効にした場合、Active状態のポートが切り替わる際に、上位スイッチのMACアドレステーブルを更新するために、再学習が必要なMACアドレス(PrimaryポートおよびSecondaryポート以外で学習したMACアドレスエントリー)のための、MACアドレス再学習フレームを送信します。

MACアドレス再学習フレームの送信元MACアドレスは、そのエントリー自身のMACアドレスになります。上位スイッチのMACアドレステーブルで再学習させることで、上位スイッチ側からの片方向トラフィックのみの場合でも、すぐに通信を復旧できます。

MACアドレス再学習フレーム送信機能

MACアドレス再学習フレームの送信を有効にするには、redundant mac-address-table-updateコマンドを使用します。

FDBフラッシュフレーム送信機能/FDBフラッシュフレーム受信機能の仕様と動作

FDBフラッシュフレームの送信を有効にした場合、Active状態のポートが切り替わる際に、FDBフラッシュフレームを送信します。このとき、FDBフラッシュフレーム受信機能を有効にしたスイッチでは、FDBフラッシュフレームを受信した場合に、装置全体のMACアドレステーブルをクリアします。

これにより、上位スイッチ側からの片方向トラフィックしかない場合でも、FDBフラッシュフレームの受信を有効にした上位スイッチがFDBフラッシュフレームを受信して装置全体のMACアドレステーブルをクリアすることで、すぐに通信を復旧できます。

なお、FDBフラッシュフレームであることを判断するための宛先MACアドレスの設定は、任意に変更できます。これにより、特定の宛先MACアドレスのフレームを受信した場合に、装置全体のMACアドレステーブルをクリアすることもできます。

FDBフラッシュフレーム送信機能/FDBフラッシュフレーム受信機能

FDBフラッシュフレームの送信を有効にするには、redundant fdb-flush send enableコマンドを使用します。FDBフラッシュフレームの受信を設定するには、redundant fdb-flush receive enableコマンドを使用します。 FDBフラッシュフレームであることを判断する宛先MACアドレスを設定するには、redundant fdb-flush dst-macコマンドを使用します。

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