QoSの状態確認
QoSの状態を表示して確認する方法を説明します。
受信トラフィックの分類設定の表示
show mls qos interface trustコマンドで、受信トラフィックの分類設定を確認できます。
ポート1/0/2からポート1/0/5を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/2-1/0/5 trust (1) (2) Interface Trust State ------------ ------------ Port1/0/2 trust CoS Port1/0/3 trust CoS Port1/0/4 trust CoS Port1/0/5 trust CoS
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) |
受信トラフィックの分類設定を表示します。 trust CoS:受信トラフィックのCoSを信頼するモード trust DSCP:受信トラフィックのDSCPを信頼するモード |
ポートのデフォルトCoS値の表示
show mls qos interface cosコマンドで、ポートのデフォルトCoS値を確認できます。
ポート1/0/2からポート1/0/5を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/2-5 cos (1) (2) (3) Interface CoS Override ------------ ---- --------- Port1/0/2 0 No Port1/0/3 0 No Port1/0/4 0 No Port1/0/5 0 No
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | デフォルトのCoS値を表示します。 |
(3) |
受信トラフィックのCoSを、デフォルトのCoS値で書き換える設定を表示します。 Yes:デフォルトのCoS値で書き換える No:デフォルトのCoS値で書き換えない |
DSCPからCoS値へのマッピング設定の表示
show mls qos interface map dscp-cosコマンドで、DSCPからCoS値へのマッピング設定を確認できます。
ポート1/0/1を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/1 map dscp-cos Port1/0/1 ...(1) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ...(2) --------------------------------- 00 00 00 00 00 00 00 00 00 01 01 10 01 01 01 01 01 01 02 02 02 02 20 02 02 02 02 03 03 03 03 03 03 30 03 03 04 04 04 04 04 04 04 04 40 05 05 05 05 05 05 05 05 06 06 50 06 06 06 06 06 06 07 07 07 07 60 07 07 07 07
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | DSCPからCoS値へのマッピング設定を表形式で表示します。表の縦軸はDSCPの10の位を、横軸はDSCPの1の位を表します。交差する点に表示されている数値が、マッピングするCoS値を表します。 |
CoSからトラフィック初期カラーへのマッピング設定の表示
show mls qos interface map cos-colorコマンドで、CoSからトラフィック初期カラーへのマッピング設定を確認できます。
ポート1/0/3からポート1/0/4を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/3-4 map cos-color Port1/0/3 ...(1) CoS 0-2,5,7 are mapped to green ...(2) CoS 3-4 are mapped to yellow ...(3) CoS 6 are mapped to red ...(4) Port1/0/4 CoS 0-7 are mapped to green
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | グリーントラフィックに分類されるCoSを表示します。 |
(3) | イエロートラフィックに分類されるCoSを表示します。 |
(4) | レッドトラフィックに分類されるCoSを表示します。 |
DSCPからトラフィック初期カラーへのマッピング設定の表示
show mls qos interface map dscp-colorコマンドで、DSCPからトラフィック初期カラーへのマッピング設定を確認できます。
ポート1/0/1からポート1/0/2を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/1-2 map dscp-color Port1/0/1 ...(1) DSCP 0-7 are mapped to green ...(2) DSCP 41-63 are mapped to yellow ...(3) DSCP 8-40 are mapped to red ...(4) Port1/0/2 DSCP 0-63 are mapped to green
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
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(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | グリーントラフィックに分類されるDSCPを表示します。 |
(3) | イエロートラフィックに分類されるDSCPを表示します。 |
(4) | レッドトラフィックに分類されるDSCPを表示します。 |
クラスマップの表示
show class-mapコマンドで、クラスマップを確認できます。
表示例を以下に示します。
# show class-map Class Map match-any c2 ...(1) Match protocol ip ...(2) Class Map match-any c3 Match access-group acl_home_user Class Map match-any class-default Match any
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) |
クラスマップ内の複数のmatchステートメントを評価する方法、およびクラスマップ名を表示します。 match-all:論理ANDに基づく評価 match-any:論理ORに基づく評価 |
(2) | クラスマップの一致条件を表示します。 |
ポリシーマップの表示
show policy-mapコマンドで、ポリシーマップを確認できます。
ポリシーマップ「policy1」を確認する場合の表示例を以下に示します。
# show policy-map policy1 Policy Map policy1 ...(1) Class Map example001 ...(2) police cir 500 bc 10 pir 1000 be 10 conform-action transmit exceed-action set-dscp-tr ansmit 2 violate-action drop ...(3)
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポリシーマップ名を表示します。 |
(2) | ポリシーマップに割り当てられたクラスマップ名を表示します。 |
(3) | 対象のクラスマップに一致したトラフィックに対して行う操作内容(ポリシング、マーキング)を表示します。 |
ポート1/0/1に適用したポリシーマップを確認する場合の表示例を以下に示します。
# show policy-map interface port 1/0/1 Policy Map: policy1 : input ...(1) Class Map example001 ...(2) police cir 500 bc 10 pir 1000 be 10 conform-action transmit exceed-action set-dscp-tr ansmit 2 violate-action drop ...(3)
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポリシーマップ名およびポリシーマップの動作対象となるトラフィックの方向(受信/送信)を表示します。 |
(2) | ポリシーマップに割り当てられたクラスマップ名を表示します。 |
(3) | 対象のクラスマップに一致したトラフィックに対して行う操作内容(ポリシング、マーキング)を表示します。 |
集約ポリサーの表示
show mls qos aggregate-policerコマンドで、集約ポリサーを確認できます。
表示例を以下に示します。
# show mls qos aggregate-policer
mls qos aggregate-policer agg_policer5 cir 500 bc 10 pir 1000 be 10 conform-action transm
it exceed-action set-dscp-transmit 2 violate-action drop ...(1)
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | 集約ポリサーの設定を表示します。 |
DSCP変換マップの表示
show mls qos map dscp-mutationコマンドで、DSCP変換マップを確認できます。
表示例を以下に示します。
# show mls qos map dscp-mutation DSCP Mutation: mutemap1 ...(1) Attaching interface: ...(2) Port1/0/1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ...(3) --------------------------------- 00 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 60 61 62 63
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | DSCP変換マップ名を表示します。 |
(2) | DSCP変換マップが適用されている受信ポート番号を表示します。 |
(3) | DSCP変換マップを表形式で表示します。表の縦軸はDSCPの10の位を、横軸はDSCPの1の位を表します。交差する点に表示されている数値が、変換後DSCPを表します。 |
ポートに適用したDSCP変換マップの表示
show mls qos interface dscp-mutationコマンドで、ポートに適用したDSCP変換マップを確認できます。
ポート1/0/1からポート1/0/2を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/1-2 dscp-mutation (1) (2) Interface DSCP Mutation Map ---------- ------------------ Port1/0/1 Mutate Map TEST-MAP1 Port1/0/2 Mutate Map
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | DSCP変換マップ名を表示します。"Mutate Map"の後に設定したDSCP変換マップ名が表示されます。 |
CoS値から送信キューへのマッピング設定の表示
show mls qos queueingコマンドで、CoS値から送信キューへのマッピング設定を確認できます。
表示例を以下に示します。
# show mls qos queueing CoS-queue map: (1) (2) CoS QID --- --- 0 2 1 0 2 1 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | CoS値を表示します。 |
(2) | 送信キュー番号を表示します。 |
送信キューごとの帯域制御設定の表示
show mls qos interface queue-rate-limitコマンドで、送信キューごとの帯域制御設定を確認できます。
ポート1/0/1からポート1/0/2を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/1-2 queue-rate-limit Port1/0/1 ...(1) (2) (3) (4) QID Min Bandwidth Max Bandwidth ---- ------------------- ------------------- 0 1000 kbps 2000 kbps 1 No Limit No Limit 2 No Limit No Limit 3 10%(100000 kbps) 20%(200000 kbps) 4 No Limit No Limit 5 No Limit No Limit 6 No Limit No Limit 7 No Limit No Limit Port1/0/2 QID Min Bandwidth Max Bandwidth ---- ------------------- ------------------ 0 1000 kbps 2000 kbps 1 No Limit No Limit 2 No Limit No Limit 3 10% 20% 4 No Limit No Limit 5 No Limit No Limit 6 No Limit No Limit 7 No Limit No Limit
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | 送信キューのIDを表示します。 |
(3) |
最小保証帯域(kbps)を表示します。 queue rate-limitコマンドで最小保証帯域をパーセント指定で設定した場合は、「リンクアップポート:パーセント設定値と実際の設定値(kbps)を表示」、「リンクダウンポート:パーセント設定値のみ表示」となります。 |
(4) |
最大帯域(kbps)を表示します。 queue rate-limitコマンドで最大帯域をパーセント指定で設定した場合は、「リンクアップポート:パーセント設定値と実際の設定値(kbps)を表示」、「リンクダウンポート:パーセント設定値のみ表示」となります。 |
WRED設定の表示
show queueing random-detectコマンドで、WRED設定を確認できます。
NP2100、NP2000、およびNP2500では、WREDを使用できません。
ポート1/0/1を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show queueing random-detect interface port 1/0/1 Current WRED configuration: Port1/0/1 ...(1) (2) (3) (4) (5) (6) CoS WRED State Exp-weight-constant Profile ECN State --- ---------- ------------------- ------- --------- 0 Disabled 9 1 Disabled 1 Disabled 9 1 Disabled 2 Disabled 9 1 Disabled 3 Disabled 9 1 Disabled 4 Disabled 9 1 Disabled 5 Disabled 9 1 Disabled 6 Disabled 9 1 Disabled 7 Disabled 9 1 Disabled
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | CoSキューを表示します。 |
(3) | WRED機能の有効(Enabled)/無効(Disabled)を表示します。 |
(4) | 加重係数を表示します。 |
(5) | プロファイルIDを表示します。 |
(6) | 明示的輻輳通知(ECN)の有効(Enabled)/無効(Disabled)を表示します。 |
WREDプロファイル設定の表示
show random-detect profileコマンドで、WREDプロファイル設定を確認できます。
NP2100、NP2000、およびNP2500では、WREDを使用できません。
WREDプロファイル1を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show random-detect profile 1 WRED Profile 1 ...(1) (2) (3) (4) (5) Packet Type Min-Threshold Max-Threshold Max-Drop-Rate --------------- ------------- ------------- ------------- TCP-GREEN 20 80 0 TCP-YELLOW 20 80 0 TCP-RED 20 80 0 NON-TCP-GREEN 20 80 0 NON-TCP-YELLOW 20 80 0 NON-TCP-RED 20 80 0
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | WREDプロファイルIDを表示します。 |
(2) | パケットタイプを表示します。 |
(3) | WREDの最小しきい値(キューサイズ:セル単位)を表示します。 |
(4) | WREDの最大しきい値(キューサイズ:セル単位)を表示します。 |
(5) |
平均キューサイズが最大しきい値に達したときの最大廃棄率を指定します。 0-10(0%-10%)、11(25%)、12(50%)、13(75%)、14(100%) |
WRED廃棄パケット数の表示
show random-detect drop-counterコマンドで、WRED廃棄パケット数を確認できます。また、WRED廃棄パケット数をクリアするには、clear random-detect drop-counterコマンドを使用します。
NP2100、NP2000、およびNP2500では、WREDを使用できません。
NP3000では、ポートごとのWRED廃棄パケット数は確認できますが、トラフィックカラーごとのWRED廃棄パケット数は確認できません。
ポート1/0/1を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show random-detect drop-counter interface port 1/0/1 Current WRED Drop Counter: (1) (2) (3) (4) Interface Green Yellow Red ---------- --------------------- --------------------- --------------------- Port1/0/1 0 0 0
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | グリーントラフィックのWRED廃棄パケット数を表示します。 |
(3) | イエロートラフィックのWRED廃棄パケット数を表示します。 |
(4) | レッドトラフィックのWRED廃棄パケット数を表示します。 |
スケジューリング設定の表示
show mls qos interface schedulerコマンドで、スケジューリング設定を確認できます。
ポート1/0/1からポート1/0/2を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/1-1/0/2 scheduler (1) (2) Interface Scheduler Method ---------- ------------------ Port1/0/1 sp Port1/0/2 wrr
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) |
スケジューリングアルゴリズムを表示します。 sp:Strict Priority Queuing rr:Round Robinスケジューリング wrr:WRR(Weighted Round Robin)スケジューリング wdrr:WDRR(Weighted Deficit Round Robin)スケジューリング |
WRRとWDRRの重み設定の表示
show mls qos queueing interfaceコマンドで、WRRとWDRRの重み設定を確認できます。
ポート1/0/3を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos queueing interface port 1/0/3 Interface: Port1/0/3 ...(1) wrr bandwidth weights: ...(2) QID Weights --- ------- 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 wdrr bandwidth weights: ...(3) QID Quantum --- ------- 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) | WRRスケジューリングの重みを表示します。 |
(3) | WDRRスケジューリングの重みを表示します。 |
ポートごとの帯域制限設定の表示
show mls qos interface rate-limitコマンドで、ポートごとの帯域制限設定を確認できます。
ポート1/0/1からポート1/0/4を指定した場合の表示例を以下に示します。
# show mls qos interface port 1/0/1-4 rate-limit (1) (2) (3) (4) (5) Interface Rx Rate TX Rate Rx Burst Tx Burst ---------- ------------------- ------------------- ------------- ------------- Port1/0/1 1000 kbps No Limit 64 kbyte No Limit Port1/0/2 No Limit 2000 kbps No Limit 2000 kbyte Port1/0/3 10%(10000 kbps) 20%(20000 kbps) 64 kbyte 64 kbyte Port1/0/4 2% 2000 kbps 64 kbyte 64 kbyte
各項目の説明は、以下のとおりです。
項番 | 説明 |
---|---|
(1) | ポート番号を表示します。 |
(2) |
受信帯域制限機能の帯域制限値(kbps)を表示します。 rate-limit inputコマンドで帯域制限値をパーセント指定で設定した場合は、「リンクアップポート:パーセント設定値と実際の設定値(kbps)を表示」、「リンクダウンポート:パーセント設定値のみ表示」となります。 |
(3) |
送信帯域制限機能の帯域制限値(kbps)を表示します。 rate-limit outputコマンドで帯域制限値をパーセント指定で設定した場合は、「リンクアップポート:パーセント設定値と実際の設定値(kbps)を表示」、「リンクダウンポート:パーセント設定値のみ表示」となります。 |
(4) | 受信帯域制限機能のバーストサイズ(kbyte)を表示します。 |
(5) | 送信帯域制限機能のバーストサイズ(kbyte)を表示します。 |