ミラーリングの機能説明
ミラーリングは、指定した送信元インターフェースで送受信するトラフィックをコピーし、ミラーリングトラフィックを宛先インターフェースから送信する機能です。
送信元インターフェースと宛先インターフェースの設定
ミラーリングを利用するには、モニターセッションを作成し、送信元インターフェースと宛先インターフェースを設定します。1つのモニターセッションには、複数の送信元インターフェースを設定できます。また、1つのモニターセッションには、宛先インターフェースを1つだけ設定できます。
送信元インターフェースと宛先インターフェースが同じ装置にある場合は、ローカルモニターセッションを使用します。送信元インターフェースを設定するには、monitor session source interfaceコマンドを使用します。宛先インターフェースを設定するには、monitor session destination interfaceコマンドを使用します。
NP5000の1.08.01以降では、最大2個のローカルモニターセッションまで、同一インターフェースをそれぞれのモニターセッションに送信元インターフェースとして設定できます。
ローカルモニターセッションの概要
ネットワーク上にある他の装置で送受信されているトラフィックをミラーリングする場合は、リモートモニターセッションを使用します。
リモートモニターセッションでは、ミラーリングトラフィックをリモートモニターVLANのタグ付きフレームとして伝送します。また、リモートモニターVLANに設定したVLANでは、MACアドレス学習が無効になります。VLANをリモートモニターVLANとして設定するには、remote-spanコマンドを使用します。
リモートモニターセッションの各装置では、以下のように設定します。
装置種別 | 設定内容とコマンド |
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モニター元装置*1 |
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中継装置 |
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モニター先装置 |
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*1:モニター元装置では、リモートモニターVLANを設定しなくても動作します。
モニター先装置では、ミラーリングトラフィック(リモートモニターVLANのタグ付きフレーム)を受信するインターフェースに、switchport trunk allowed vlanコマンドでリモートモニターVLANを設定してください。また、monitor session destination interfaceコマンドで設定した宛先インターフェースにも、switchport access vlanコマンドでリモートモニターVLANを設定してください。
リモートモニターセッションの概要
送信元アクセスリストによるミラーリング対象の指定
送信元アクセスリストを使用して、ミラーリングする受信トラフィックを指定できます。指定するアクセスリストは、expert access-groupコマンド、mac access-groupコマンド、ip access-groupコマンド、arp access-groupコマンド、またはipv6 access-groupコマンドで受信方向を指定してモニター対象のポートに適用するか、またはVLANアクセスマップコマンドを介してモニター対象のVLANに適用する必要があります。
送信元アクセスリストを利用する場合は、monitor session source aclコマンドを使用します。
送信元アクセスリストの概要
monitor session source aclコマンドでは、受信方向に適用されたアクセスリスト(例:ip access-group TEST in)を指定します。送信方向に適用されたアクセスリスト(例:ip access-group TEST out)を指定しても、送信トラフィックはミラーリングできません。
アクセスリストでpermitを指定したエントリーだけでなく、denyを指定したエントリーもミラーリングされます。
拡張エキスパートアクセスリスト/IPアクセスリストを使用した場合は、IPv4パケットが対象になります。
拡張MACアクセスリストを使用した場合は、非IPパケットが対象になります。拡張MACアクセスリストのIPパケット対象化機能を有効にした場合は、IPv4パケットおよびIPv6パケットも対象になります。
ARPアクセスリストを使用した場合は、ARPパケットが対象になります。
IPv6アクセスリストを使用した場合は、IPv6パケットが対象になります。
モニターセッションの上限
NP3000、NP2100、NP2000、およびNP2500では、モニターセッションは装置全体で最大4個まで設定できます。なお、送信元インターフェース設定にtx指定を含めることができるモニターセッションは、1個だけです。
NP7000、NP5000、およびNP4000では、モニターセッションは装置全体で最大4リソースまで設定できます。リソースの数え方は以下のとおりです。
- 送信元インターフェース設定にrx指定(送信元アクセスリスト含む)とtx指定の両方を含むモニターセッションの場合は、2リソース
- 送信元インターフェース設定がrx指定(送信元アクセスリスト含む)のみのモニターセッションの場合は、1リソース
- 送信元インターフェース設定がtx指定のみのモニターセッションの場合は、1リソース