第2編
管理運用

スタックの機能説明

スタックは、複数の装置をスタックポートで接続し、論理的に1台の装置として動作させる機能です。

補 足

スタック機能が有効になると、スタックポートに設定した物理ポートはスタック専用ポートになるため、通常の物理ポートのような使用はできなくなります。

スタックポート

スタックを構成する複数の装置それぞれをスタックメンバーと呼びます。スタックメンバーには、それぞれボックスIDが割り当てられます。

スタックの機能

スタック機能の特性は、以下のとおりです。

運用負荷の低減

VRRPやSTPなどのプロトコルを使用せずに、複数の装置を1台の装置として運用するため、管理が容易で運用負荷が低減します。

装置の負荷の低減

VRRPやSTPなどのプロトコルを使用しないため、装置の負荷が低減します。

冗長性

複数の装置で構成するため、障害が発生しても通信を継続できます。

拡張性

複数の装置で構成することにより、利用可能なポート数を増やせます。

スタックポート

装置および設定により、スタックポートとして割り当てられるポートが異なります。

スタックポート設定(NP7000*1 *2
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
40G 2-port 40G、2スタックポート ポート1/0/65 ポート1/0/69
40G 2-port chain*3 40G×2、1スタックポート ポート1/0/65, 1/0/69 -

*1:ApresiaNP7000シリーズ(ApresiaNP7000-48X6L、ApresiaNP7000-24G24X6L)で、スタックを構成できます。

*2:レイヤー3ライセンスが有効なNP7000(機器レビジョンB)の対応ファームウェアは、1.08.01以降です。そのため、レイヤー3ライセンスを有効にし、機器レビジョンAと機器レビジョンBの装置が混在するスタックを構成する場合は、1.08.01以降で使用してください。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(NP5000*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/51 ポート1/0/52
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/49, 1/0/51*2 ポート1/0/50, 1/0/52*2
40G 2-port 40G、2スタックポート ポート1/0/53 ポート1/0/54
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/51, 1/0/52 -
10G 4-port chain*3 10G×4、1スタックポート ポート1/0/49, 1/0/50, 1/0/51, 1/0/52 -
40G 2-port chain*3 40G×2、1スタックポート ポート1/0/53, 1/0/54 -

*1:レイヤー3ライセンスが有効なNP5000(機器レビジョンB)の対応ファームウェアは、1.08.01以降です。そのため、レイヤー3ライセンスを有効にし、機器レビジョンAと機器レビジョンBの装置が混在するスタックを構成する場合は、1.08.01以降で使用してください。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/49、1/0/51~他装置のポート1/0/50、1/0/52」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(NP4000)
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/23 ポート1/0/24
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/21, 1/0/23*1 ポート1/0/22, 1/0/24*1
10G 2-port chain*2 10G×2、1スタックポート ポート1/0/23, 1/0/24 -
10G 4-port chain*2 10G×4、1スタックポート ポート1/0/21, 1/0/22, 1/0/23, 1/0/24 -

*1:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/21、1/0/23~他装置のポート1/0/22、1/0/24」と接続することで、スタックを構成できます。

*2:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP3000-24X4Q*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/23 ポート1/0/24
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/21, 1/0/22*2 ポート1/0/23, 1/0/24*2
25G 2-port 25G、2スタックポート ポート1/0/27 ポート1/0/28
25G 4-port 25G×2、2スタックポート ポート1/0/25, 1/0/26*3 ポート1/0/27, 1/0/28*3
10G 2-port chain*4 10G×2、1スタックポート ポート1/0/23, 1/0/24 -
10G 4-port chain*4 10G×4、1スタックポート ポート1/0/21, 1/0/22, 1/0/23, 1/0/24 -
25G 2-port chain*4 25G×2、1スタックポート ポート1/0/27, 1/0/28 -
25G 4-port chain*4 25G×4、1スタックポート ポート1/0/25, 1/0/26, 1/0/27, 1/0/28 -

*1:ApresiaNP3000 シリーズ(ApresiaNP3000-24X4Q、ApresiaNP3000-24T8X4Q)で、スタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/21、1/0/22~他装置のポート1/0/23、1/0/24」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:25G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/25、1/0/26~他装置のポート1/0/27、1/0/28」と接続することで、スタックを構成できます。

*4:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP3000-24T8X4Q*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/31 ポート1/0/32
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/29, 1/0/30*2 ポート1/0/31, 1/0/32*2
25G 2-port 25G、2スタックポート ポート1/0/35 ポート1/0/36
25G 4-port 25G×2、2スタックポート ポート1/0/33, 1/0/34*3 ポート1/0/35, 1/0/36*3
10G 2-port chain*4 10G×2、1スタックポート ポート1/0/31, 1/0/32 -
10G 4-port chain*4 10G×4、1スタックポート ポート1/0/29, 1/0/30, 1/0/31, 1/0/32 -
25G 2-port chain*4 25G×2、1スタックポート ポート1/0/35, 1/0/36 -
25G 4-port chain*4 25G×4、1スタックポート ポート1/0/33, 1/0/34, 1/0/35, 1/0/36 -

*1:ApresiaNP3000 シリーズ(ApresiaNP3000-24X4Q、ApresiaNP3000-24T8X4Q)で、スタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/29、1/0/30~他装置のポート1/0/31、1/0/32」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:25G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/33、1/0/34~他装置のポート1/0/35、1/0/36」と接続することで、スタックを構成できます。

*4:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP2100-24T4X/ApresiaNP2100-24T4X-PoE*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/27 ポート1/0/28
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/25, 1/0/26*2 ポート1/0/27, 1/0/28*2
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/27, 1/0/28 -
10G 4-port chain*3 10G×4、1スタックポート ポート1/0/25, 1/0/26, 1/0/27, 1/0/28 -

*1:ApresiaNP2100シリーズ(ApresiaNP2100-24T4X、ApresiaNP2100-24T4X-PoE、ApresiaNP2100-48T4X、およびApresiaNP2100-48T4X-PoE)で、スタックを構成できます。ファームウェアのバージョンがVer. 1.09の場合のみ、NP2100とNP2000が混在するスタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/25、1/0/26~他装置のポート1/0/27、1/0/28」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP2100-48T4X/ApresiaNP2100-48T4X-PoE*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/51 ポート1/0/52
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/49, 1/0/50*2 ポート1/0/51, 1/0/52*2
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/51, 1/0/52 -

*1:ApresiaNP2100シリーズ(ApresiaNP2100-24T4X、ApresiaNP2100-24T4X-PoE、ApresiaNP2100-48T4X、およびApresiaNP2100-48T4X-PoE)で、スタックを構成できます。ファームウェアのバージョンがVer. 1.09の場合のみ、NP2100とNP2000が混在するスタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/49、1/0/50~他装置のポート1/0/51、1/0/52」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP2000-24T4X/ApresiaNP2000-24T4X-PoE*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/27 ポート1/0/28
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/25, 1/0/26*2 ポート1/0/27, 1/0/28*2
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/27, 1/0/28 -
10G 4-port chain*3 10G×4、1スタックポート ポート1/0/25, 1/0/26, 1/0/27, 1/0/28 -

*1:ApresiaNP2000シリーズ(ApresiaNP2000-24T4X、ApresiaNP2000-24T4X-PoE、ApresiaNP2000-48T4X、およびApresiaNP2000-48T4X-PoE)で、スタックを構成できます。ファームウェアのバージョンがVer. 1.09の場合のみ、NP2100とNP2000が混在するスタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/25、1/0/26~他装置のポート1/0/27、1/0/28」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP2000-48T4X/ApresiaNP2000-48T4X-PoE*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/51 ポート1/0/52
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/49, 1/0/50*2 ポート1/0/51, 1/0/52*2
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/51, 1/0/52 -

*1:ApresiaNP2000シリーズ(ApresiaNP2000-24T4X、ApresiaNP2000-24T4X-PoE、ApresiaNP2000-48T4X、およびApresiaNP2000-48T4X-PoE)で、スタックを構成できます。ファームウェアのバージョンがVer. 1.09の場合のみ、NP2100とNP2000が混在するスタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/49、1/0/50~他装置のポート1/0/51、1/0/52」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP2500-8MT4X-PoE*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/11 ポート1/0/12
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/9, 1/0/10*2 ポート1/0/11, 1/0/12*2
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/11, 1/0/12 -
10G 4-port chain*3 10G×4、1スタックポート ポート1/0/9, 1/0/10, 1/0/11, 1/0/12 -

*1:ApresiaNP2500シリーズ(ApresiaNP2500-8MT4X-PoE、ApresiaNP2500-16MT4X-PoE)で、スタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/9、1/0/10~他装置のポート1/0/11、1/0/12」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

スタックポート設定(ApresiaNP2500-16MT4X-PoE*1
設定帯域幅スタックポート1スタックポート2
10G 2-port 10G、2スタックポート ポート1/0/19 ポート1/0/20
10G 4-port 10G×2、2スタックポート ポート1/0/17, 1/0/18*2 ポート1/0/19, 1/0/20*2
10G 2-port chain*3 10G×2、1スタックポート ポート1/0/19, 1/0/20 -
10G 4-port chain*3 10G×4、1スタックポート ポート1/0/17, 1/0/18, 1/0/19, 1/0/20 -

*1:ApresiaNP2500シリーズ(ApresiaNP2500-8MT4X-PoE、ApresiaNP2500-16MT4X-PoE)で、スタックを構成できます。

*2:10G×2ポートが1つのスタックポート(ポートチャネル)になります。「自装置のポート1/0/17、1/0/18~他装置のポート1/0/19、1/0/20」と接続することで、スタックを構成できます。

*3:stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定した場合は、1つのスタックポート(ポートチャネル)になり、2台限定のチェーントポロジーでスタックを構成できます。

接続方法

スタックポート1またはスタックポート2と、他の装置のスタックポート1またはスタックポート2をケーブルで接続します。接続方法には、リングトポロジーチェーントポロジーがあります。

リングトポロジーは、複数の装置をリング状に接続します。チェーントポロジーは、複数の装置を直線で並列につなぐデイジーチェーン状に接続します。

リングトポロジーでリンクの1つに障害が発生した場合、チェーントポロジーに変更されることで、通信を継続できます。しかし、チェーントポロジーでリンクの1つに障害が発生した場合、ネットワーク内にスタックのマスターが2台存在することになり、正常な管理ができなくなる可能性があります。そのため、スタックを構成する場合は、各装置の2つのスタックポートを使用するリングトポロジーの接続を推奨します。

接続方法

また、スタックポートになるすべての物理ポートを1つのスタックポート(ポートチャネル)にする2台限定のチェーントポロジーという接続方法もあります。2台限定のチェーントポロジーでは、スタックリンクの帯域幅が増加します。2台限定のチェーントポロジーにするには、stack bandwidthコマンドでchainオプションを指定して設定します。この場合、装置のスタックポートは1つだけのため、chainオプションを指定して設定した2台の装置を接続し、スタックを構成します。

chainオプションを使用した接続方法

注 意

装置は、スタックポート間の直接接続のみをサポートしています。スイッチングハブやメディアコンバーターなどの他の装置で中継する構成は、サポートしていません。

補 足

スタックを構成する装置は、運用性(マスターのみコンソールでログイン可能など)を考慮して、なるべく近くに設置して運用することを推奨します。

スタックメンバーの役割

スタックメンバーには、以下のいずれかの役割が割り当てられます。

マスター

他のスタックメンバーを制御します。

バックアップマスター

マスターに障害が発生したとき、マスターに切り替わります。

スレーブ

マスターとバックアップマスター以外の装置は、すべてスレーブになります。スレーブは、マスターの制御に従って動作します。

参 照

役割の設定については、「マスター、バックアップマスター、およびスレーブの決定」を参照してください。

補 足

スタックを構成するすべての装置で、レイヤー3ライセンスの有無を統一してください。

スタック機能設定時の注意事項
  • スタックメンバーのファームウェアのバージョンを同じにしてください。ファームウェアのバージョンが異なるスタックメンバー同士では、スタックを構成できません。
  • 本装置以外の機器は、スタックに含められません。また、異なる製品シリーズが混在するスタックは構成できません。同一製品シリーズでのみ、スタックを構成できます。
    例:ApresiaNP7000シリーズとApresiaNP5000シリーズが混在する場合、スタックは構成不可。
    例:ApresiaNP2000シリーズとApresiaNP2500シリーズが混在する場合、スタックは構成不可。
    例:ApresiaNP2000シリーズ同士が混在する場合、スタックを構成可能。
  • ファームウェアのバージョンがVer. 1.09の場合のみ、NP2100とNP2000が混在するスタックを構成できます。
  • スタックを構成可能な装置の最大数は「4台」です。

スタック機能の有効化

スタック機能を有効化する場合、スタックを構成する装置でstack bandwidthコマンドを使用し、構成情報を保存してから装置を再起動します。

補 足

構成情報を保存し、装置を再起動するまでは、スタック機能は有効になりません。

マスター、バックアップマスター、およびスレーブの決定

マスター、バックアップマスター、およびスレーブは、優先度の設定によって決定します。優先度は、スタックメンバーに割り当てられたボックスIDごとにstack priorityコマンドで設定します。優先度の値が小さいほど、優先度が高くなります。

補 足

装置を再起動するまでは、スタック機能は有効になりません。

補 足

スタック機能が有効になり、マスター、バックアップマスター、およびスレーブが決定した後は、マスターのみコンソールでログインできます。また、マネージメントポートもマスターのみ有効になります。

優先度によるマスター、バックアップマスター、およびスレーブの決定

マスター

最も優先度の高いスタックメンバーがマスターになります。同じ優先度が設定されたスタックメンバーが存在する場合、MACアドレスの値が小さいスタックメンバーがマスターになります。

補 足

プリエンプトモードが無効の場合は、マスターに決定したスタックメンバーの優先度は「0」(最も高い優先度)で動作するようになります。プリエンプトモードが有効の場合は、設定値のまま動作します。

バックアップマスター

2番目に優先度の高いスタックメンバーがバックアップマスターになります。同じ優先度が設定されたスタックメンバーが存在する場合、MACアドレスの値が小さいスタックメンバーがバックアップマスターになります。

スレーブ

マスターとバックアップマスター以外のスタックメンバーは、すべてスレーブになります。

役割ごとのスタックLEDの表示(NP7000、NP5000、およびNP2500)

装置の左上にスタックLEDがあります。スタックが有効化され、スタックメンバーの役割が決定すると、スタックLEDが点灯します。

スタックLED(ApresiaNP7000-48X6L)

役割ごとのスタックLEDの表示は以下のとおりです。

マスター

マスターに決定した装置では、割り当てられたボックスIDに対応するS1~S4のいずれかのスタックLEDが緑色に点灯します。

バックアップマスターまたはスレーブ

バックアップマスターまたはスレーブに決定した装置では、割り当てられたボックスIDに対応するS1~S4のいずれかのスタックLEDが橙色に点灯します。

役割ごとのスタックID LEDの表示(NP4000、NP3000、NP2100、およびNP2000)

装置の右下にスタックID LEDがあります。スタックが有効化され、スタックメンバーの役割が決定すると、スタックID LEDが表示されます。

スタックID LED(ApresiaNP2000-48T4X)

役割ごとのスタックID LEDの表示は以下のとおりです。

マスター

マスターに決定した装置では、スタックID LEDに、ボックスIDとHが交互に表示されます。

バックアップマスター

バックアップマスターに決定した装置では、スタックID LEDに、ボックスIDとhが交互に表示されます。

スレーブ

スレーブに決定した装置では、スタックID LEDに、ボックスIDが表示されます。

プリエンプトモード

プリエンプトモードは、その時点のスタックの中で最も優先度の高いスタックメンバーを常にマスターとして動作させる機能です。優先度が同じスタックメンバーが存在する場合は、MACアドレスの値が小さいスタックメンバーが常にマスターとして動作します。たとえば、再起動などでスタックから一時的に離脱した旧マスターを、復旧時に再度マスターとして動作させたい場合に使用します。

プリエンプトモードは、デフォルト設定で無効です。プリエンプトモードを有効にするには、stack preemptコマンドを使用します。

プリエンプトモード無効時の動作

プリエンプトモードが無効の場合は、マスターに決定したスタックメンバーの優先度は、設定値ではなく「0」(最も高い優先度)で動作するようになります。そのため、再起動などでスタックから一時的に離脱した旧マスターが復旧する場合や、スタック構成に新たに装置を追加する場合(電源OFFの状態でスタック構成に接続してから起動する手順)でも、常に現在のマスターの優先度が「0」(最も高い優先度)のため、不要なマスターの切り替わりの発生を防ぎます。

補 足

スタック構成に新たに追加する装置を「単体で起動した状態(マスターで優先度「0」)」で接続すると、優先度が「0」で同じになるため、MACアドレスで比較されてマスターが切り替わる可能性があります。

プリエンプトモード有効時の動作

プリエンプトモードが有効の場合は、マスターに決定したスタックメンバーの優先度は設定値のまま動作します。そのため、再起動などでスタックから一時的に離脱した旧マスターが復旧する場合や、スタック構成に新たに装置を追加する場合でも、常に設定値の優先度で比較されることになるため、最も優先度の高いスタックメンバーを常にマスターとして動作させることができます。なお、優先度が同じ場合は、MACアドレスによって比較されます。

ボックスIDの割り当て

ボックスIDは、スタックメンバーに割り当てられる一意のIDです。デフォルト設定では、ボックスIDが自動的に割り当てられます。

自動で割り当てられたボックスIDはstack renumberコマンドを使用し、手動で変更できます。ボックスIDは手動割り当てを推奨します。

ボックスIDの割り当てルールを以下に説明します。

ボックスIDの自動割り当てルール(リングトポロジーの場合)

以下のルールで、スタックメンバーにボックスIDが割り当てられます。

  • マスターにボックスID「1」が割り当てられます。
  • マスターのダウンストリームスイッチに、マスターのボックスIDに「1」を加算したボックスIDが割り当てられます。ダウンストリームスイッチが複数存在する場合、ボックスIDは「1」ずつ増加して割り当てられます。
    補 足

    ダウンストリームスイッチとは、スタックポート2に接続された装置です。

リングトポロジーのボックスID自動割り当て

ボックスIDの自動割り当てルール(チェーントポロジーの場合)

以下のルールで、スタックメンバーにボックスIDが割り当てられます。

  • マスターにボックスID「1」が割り当てられます。
  • マスターのダウンストリームスイッチに、マスターのボックスIDに「1」を加算したボックスIDが割り当てられます。ダウンストリームスイッチが複数存在する場合、ボックスIDは「1」ずつ増加して割り当てられます。
    補 足

    ダウンストリームスイッチとは、スタックポート2に接続された装置です。

  • マスターのアップストリームスイッチに、ダウンストリームスイッチに割り当てられた最後のボックスIDに「1」を加算したボックスIDが割り当てられます。アップストリームスイッチが複数存在する場合、ボックスIDは「1」ずつ増加して割り当てられます。
    補 足

    アップストリームスイッチとは、スタックポート1に接続された装置です。

チェーントポロジーのボックスID自動割り当て

ボックスIDの手動割り当てルール
  • ボックスIDは一意にします。
  • stack renumberコマンドを使用し、構成情報を保存してから装置を再起動します。再起動するまでは、手動で割り当てたボックスIDは有効になりません。
  • 同じボックスIDの装置は、スタックを構成できません。
注 意

ボックスIDが競合していると、スタック構成の起動時にFailが検出され、スタックを構成できません。

参 照

ボックスIDの競合を解消する手順については、「ボックスID競合モード」を参照してください。

補 足

手動割り当てをしない装置は、自動割り当てのルールに従います。

スタックメンバー間の同期

スタックメンバー間では、以下の情報が同期されます。

  • マスターの起動構成
  • レイヤー2/レイヤー3プロトコルなどのアプリケーションの状態と関連テーブル

変更した設定の有効化

スタック機能の有効/無効、ボックスID、および優先度などの設定を変更する場合、変更内容を保存します。その後、システムを再起動します。

注 意

システムを再起動するまで、変更した内容は有効化されません。

スタック機能の無効化

スタック機能を無効化する場合、no stackコマンドを使用し、構成情報を保存してから装置を再起動します。

補 足

構成情報を保存し、装置を再起動するまでは、スタック機能は無効になりません。

装置をデフォルト設定に戻す場合のスタックに関する設定の保持と削除

装置の設定を削除してデフォルト設定に戻す場合に、スタックの設定を保持するには、clear running-configコマンドを使用します。スタックに関する設定を含め、すべての構成情報をデフォルト設定に戻すには、reset systemコマンドを使用します。

補 足

clear running-configコマンドは、装置を再起動せずにデフォルト設定で動作させる場合に使用します。reset systemコマンドは、装置をデフォルト設定に戻して再起動する場合に使用します。

補 足

clear running-configコマンドでrunning-configを消去した装置を運用環境で使用する際は、設定を実施して構成情報を保存した後、念のため運用前に一度起動しなおしてから使用することを推奨します。

スタック有効化前にボックスID、優先度を設定する場合

スタックを有効にする前に、メンバー装置単体でスタックのボックスIDを手動で指定する場合はstack my_box_idコマンドも使用できます。また、優先度を手動で指定したい場合はstack my_box_priorityコマンドも使用できます。

補 足

指定した値は、構成情報を保存してから装置を再起動してスタックが有効になった時点で反映されます。

スタックポートのVLAN設定のプリセット

NP7000では、スタックポートのVLAN設定を前もって設定できます(プリセット)。スタックポートのVLAN設定をプリセットするには、stack vlan pre-settingコマンドを使用します。

注 意

NP5000、NP4000、NP3000、NP2100、NP2000、およびNP2500では、stack vlan pre-settingコマンドは使用できません。

補 足

本設定は、構成情報を保存してから装置を再起動してスタックが有効になった時点で反映されます。

スタックポート(ポートチャネル)の負荷分散

1つのスタックポートが複数のポートで構成されている場合の負荷分散方法を設定できます。スタックポート(ポートチャネル)の負荷分散方法を設定するには、stack stack-port load-balanceコマンドを使用します。

補 足

本設定は、構成情報を保存してから装置を再起動してスタックが有効になった時点で反映されます。

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